SRTとVTT:どの字幕形式を選ぶべき?
SRTとVTTの字幕形式を分かりやすく比較。主な違い、プラットフォームの対応状況、用途に合う選び方を紹介します。
著者 PodTextチーム公開日 更新日

字幕を書き出す際にSRTとVTTの選択を求められ、「どちらでも同じでは?」と思ったことはありませんか。違いはありますが、選ぶ基準は公開先です。ここでは両形式の特徴と違い、それぞれが適した場面を整理します。
SRTとは?
SRTはSubRip Textの略です。2000年代初頭にSubRipというソフトウェア向けに作られた、歴史が長く幅広く対応されている字幕形式の1つです。構造は非常に単純で、字幕のブロックごとに連番、時刻の範囲、字幕テキストを繰り返します。
一般的なSRTファイルは次のようになります。
1
00:00:01,000 --> 00:00:04,500
番組へようこそ。今日は文字起こしについて話します。
2
00:00:05,200 --> 00:00:08,800
ゲストは音声業界で10年以上の経験を持つ方です。
秒とミリ秒をカンマで区切るのがSRT特有の書式です。SRTには正式な仕様やメタデータ、表示位置の指定がありません。多くのプレーヤーは斜体の<i>など基本的なタグに対応しますが、対応状況は異なるため、基本的にはプレーンテキストとして扱ってください。
VTTとは?
VTTはWebVTT(Web Video Text Tracks)のことで、ウェブ向けに作られたW3C仕様の形式です(W3C WebVTT)。構造はSRTに似ていますが、いくつか大きな違いがあります。
VTTファイルはWEBVTTというヘッダーで始まり、時刻にはカンマではなくピリオドを使います。また、任意でスタイルや位置を指定できます。
WEBVTT
00:00:01.000 --> 00:00:04.500
番組へようこそ。今日は文字起こしについて話します。
00:00:05.200 --> 00:00:08.800 align:right
ゲストは音声業界で10年以上の経験を持つ方です。
VTTはキューの位置・配置・サイズの設定、CSSによるスタイル指定、字幕として表示せずJavaScriptで利用できるメタデータキューにも対応します。多機能な形式ですが、その機能が役立つのは公開先が対応している場合です。
主な違い
スタイルの対応。 SRTには標準化されたスタイル指定がありません。VTTはブラウザーでキューの位置やCSSのスタイルを指定できます。ウェブ上で位置や見た目をそろえた字幕が必要ならVTTを選びましょう。
時刻の書式。 SRTはカンマ(00:00:01,000)、VTTはピリオド(00:00:01.000)を使います。小さな違いですが、多くの解析処理は厳密なため、混同すると字幕が動作しません。
ファイルのヘッダー。 VTTは1行目にWEBVTTが必要です。SRTにはヘッダーがなく、手作業での生成や読み取りが少し簡単です。
メタデータとチャプター。 VTTはNOTEブロック(コメント)や非表示のメタデータキューに対応します。SRTにはありません。チャプターマーカーや時刻付きメタデータを使うウェブプレーヤーを作るなら、VTTが適しています。
ブラウザーの対応。 HTML5の<track>要素が読み込むのはVTTです(MDN)。JavaScriptライブラリや形式変換なしでは、ブラウザーの<track>でSRTを再生できません。
プラットフォームの対応状況
| プラットフォーム | SRT | VTT | 出典 |
|---|---|---|---|
| YouTube | 対応 | 対応 | YouTubeヘルプ |
| Vimeo | 対応 | 対応(推奨) | Vimeoヘルプ |
対応(video.en_US.srtのような名前) | 非対応 | Facebookヘルプ | |
HTML5動画(<track>) | 非対応(JSが必要) | 対応 | MDN |
| WordPress動画ブロック | 非対応 | 対応 | WordPressドキュメント |
| Final Cut Pro | 対応 | 非対応 | Appleサポート |
字幕ファイルを受け付ける編集ソフトやSNSではSRT、自分で管理するウェブプレーヤーではVTTが基本です。YouTubeやVimeoは両方に対応します。InstagramやTikTokの通常投稿は、ファイルをアップロードするのではなくアプリ内で字幕を生成します。自作の字幕を使いたい場合は動画に焼き込みましょう。
SRTを選ぶ場面
次の場合はSRTを使います。
- Facebookに字幕をアップロードする
- Final Cut Pro、Premiere Pro、DaVinci Resolveなどの動画編集ソフトで作業する
- スタイル指定は不要で、幅広い互換性を優先したい
- さまざまなツールを使う顧客や共同制作者に字幕ファイルを渡す
SRTは迷ったときの基本の選択肢です。対応形式が分からない場合も、ほとんどの場面で使えます。
VTTを選ぶ場面
次の場合はVTTを使います。
- HTML5の
<track>要素を使ってウェブサイトに動画を埋め込む - WordPressの動画ブロックに字幕を追加する
- ウェブ上で字幕の位置やスタイルを指定したい
- 独自のウェブ動画プレーヤーを作る
自分でプレーヤーを管理するウェブ向け動画には、VTTが適しています。
PodTextで両形式を作る方法
最初に形式を決める必要はありません。PodTextの動画テキスト化ツールは、動画を文字起こししてSRTとVTTの両方に加え、プレーンテキストとMarkdownにも書き出せます。音声やポッドキャストのエピソードでも同じ形式を利用できます。ファイルをアップロードして文字起こしができたら、必要な形式を片方または両方ダウンロードしてください。具体的な手順は動画に字幕を付ける方法で紹介しています。
同じ動画を複数の場所に公開するときに便利です。1つの文字起こしテキストから、SNS用にはSRT、ウェブサイトの埋め込みプレーヤー用にはVTTを書き出せます。
形式の選択以上に大切なのは、字幕の内容が正確であることです。まず読みやすい文字起こしテキストを作り、公開先に必要な形式で書き出しましょう。
出典
確認日:2026-09-26。
- W3C、WebVTT:ウェブ動画のテキストトラック形式
- MDN Web Docs、
<track>:埋め込みテキストトラック要素 - YouTubeヘルプ、対応する字幕ファイル
- Vimeoヘルプセンター、トラブルシューティング:字幕ファイルの種類
- Facebookヘルプセンター、SubRip(.srt)ファイルの命名規則
- WordPressドキュメント、動画ブロック
- Appleサポート、Mac用Final Cut Proにクローズドキャプションを読み込む



